夕方、ロビーで待ち合わせにした。
娘夫婦は疲れていたから、食事はどこでもいいという。たぶんそうだろうと思い、ホテルへの小路にあっためぼしい店にあたりを付けておいた。
その前に、いつもの失敗をまたやらかした。龍安寺で別れたあと烏丸通りで降り地下鉄に乗り継ぎ、ホテルまではスムーズに来た。だが、どうも入り口が分からない。と、言うよりないのだ。塀にはホテル名でのインターホンがあるのだがなんだか怪しい。仕方なく押してみた。
すると、お待ちしておりました、どうぞという。仕方ないので木戸を開け入った。ガラス戸があったので押し開けた。すると目の前には、三人の青年が食事中で手を止めポカンとこちらを見ている。こちらもポカン彼らを見返した。
ひとりの黒服が慌ててフォークを置いて、ああ、ホテルならこちらです。と案内してくれた。ホテルの入り口はインターホンより先の凹んだところにあった。横から来たら看板もなく分かるはずもない。最近はヘマしても落ち込まなくなってきた。内心面白がっている。
さて、夕食だが、そこでは願っていたものに出会ってしまった。だから、旅は面白い。
龍安寺では、14個しか見えない石が15全部見える位置を教えたが、娘は、そうね見えるね、といった熱のない反応だった。大人になったのか。高校生たちはきゃっきゃ喜んでいた。