カテゴリ:ひとりもの日誌 > 女性バーテンダー

行きつけのカクテルBARがある。BARは出張や旅行で宿泊したホテルのにしか入ったことはなかった。それがひょんなことで扉を開けた。行きつけの居酒屋つながりだ。ことのほか快適だった。自分に合っていた。会話はほどほどで、酒の 話しが中心。凛とした空気、客達も紳士淑女的。バーテンダーは、マスターにもう一人いた。可愛く、そして美人の女性バーテンダーだ。なんだか、最初から親近感があった。後日その理由がわかる。彼女の口から出た言葉が日を追ってふくらみ、いま書き始めた小説の題材になった。
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「モヒートですよ」と、ちらっと笑い、女性バーテンダーは目の前で作ったカクテルを運んでいった。メキシコの有名なカクテルだという。次回はこれからはじまるだろう。最初の一杯は彼女のイメージで作ってもらう。カクテルの仏世界大会で準優勝、アジア大会で優勝、といった腕と感性の持ち主だ。来月の大会に出品するネーミングの迷いを投げかけられた。いい名だ。大会切符は手に入れた。昼からはじまる。パーティでは賞を得たカクテルも飲める。昼の酒は酔いが早い。不安を言うと「かなりですよ」と悪戯顔で言ってきた。写真は、マスターの作品「ミステリーナイト」優勝作品。
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カクテル「モヒート」
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カウンターに一人客が並ぶ。つぎに、二人連れ。大勢で流れてくる客は背後の席。見ているとウィスキーの飲み方はロックが多い。生でやる人もいる。みんな強い。そのことを言うと女性バーテンダーは「お酒が強いからBARにくるのですよ」なるほど、彼女は続けた。「お酒の弱い人は、BARに興味はもちませんよ」。そりゃそうだ。だが、どうもひと言多い。気のせいだけでもない。最初に感じた親近感からだ。ある夜、懐かしい固有名詞が耳に入ってきた。彼女が横の客と話していた。学校名だ。私が出た中学校だ。女性バーテンダーは、同郷人だった。かつ、同じ中学校出だった。一瞬にして見てきたものが共有され認知された。ふるさと話になって、森に辿り着いた。思い出した。私は、そこで小人を見た。
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女性バーテンダーは、その森で遊んだ。私もだ。数年前、その森に行った。懐かしかった。奥へ、奥へと歩みを進めた。人影はない。人がいるのは晴れた休日くらいなものだ。昔はまったくいなかった。道が細くなる。S路になり、人が向こうからあらわれた。小学生男児か。薄汚れた半ズボン、半袖シャツ。三頭身。太く短い腕を振って歩いてくる。足も太い。大人にも見える。怒り顔だ。息を殺し、すれ違った。そっと、一、二、で振り返った。姿がなかった。脇道はない。両わきの葉や枝に揺れはない。緑の繁みに聳える木々。分け入ったなら、揺れがあるはず。森閑としていた。佇んでしまった。話しを聞いた女性バーテンダーはその森のあることを口にした。まさか、と思った。それが今書いている題材になった。完成するまで言えない。
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目の前に本を差し出してきた。カクテルを書いた本の話題になっていた。この本にも書いてあるという。お客が置いていった。話しは目次についてになった。初回ゲラが届いたとき、目次があった。気にしたことがなかった。違和感を抱いた。手元の本や書店の本を見た。みんないろんな形であった。そうか、と。女性バーテンダーは言った「いちばん初めに見ますよ。目次がちゃんとしてない本は買いません」これには驚いた。こういう人もいるのか。目次を見ないこちらが変なのか。ラジオで女子アナが推理小説でも最後から読む。こうやって話しを組み立てたのか、伏線がここかと楽しむ、と言った。いろんな読み方があるものだ。女性バーテンダーは独特のこだわりをもっている。同郷の女子になぜかこのタイプが多い。世界中の酒を覚えこだわりにこだわって組み合わせ、シェイカーを振る。合った職業を選んだものだ。目次については編集者が作った。隅から隅まで読んで考えている。ありがたい。これから目次にたいする目線態度が変わる。
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家でウィスキーをロックでやっていた。そのとき気づいた。それを言うと、女性バーテンダーはにんまりとした。「小さくなったのを、思い切り噛んだことあります」子どもみたいな人だ。これもこだわりからだ。で、とたずねた。「歯が負けそうでした」笑ってしまった。このカクテルBARではオン・ザ・ロックには大きな球体の氷が使用される。片手にタオルで氷をもち丸く削っていく。大口グラスに入れられ、そこに琥珀色のウィスキーが注がれていく。グラスを回す。カラカラといい音がする。杯を重ねるごとに球体は小さくなっていく。飲み手の酔いに、心地よい宇宙が広がる。このうえないひとときだ。ただ、それだけでない。旨いのだ。家のとは氷の味が違う。「密度が違うのです。氷屋さんが特別に作ってるんですよ」女性バーテンダーの自信に満ちたこだわり世界が提示される。
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ビールのあとモヒートにした。相手は忘れていた。ミントの迫りかたがすごい。人気度は気温に左右されるという。生っぽく、だめだった。先に飲んだメキシコビールのコロナが旨い。ライムを上手く入れれず戸惑った。女性バーテンダーがやってくれた。コロナは世界一の売り上げ本数を誇る。メキシコ人に聞いた。メキシコにはもっと旨いビールがある。日本は、サッカーもふくめ後発だ。物事はそこからスタートする。焦ることはない。彼女は訊いてきた。「ヤギは、なぜ紙を食べるか知ってます?」子どものころ同じ質問を耳にした。お互い知らないのであとで調べてみることになった。つぎに「カモメと海猫の見分け方知ってます?」知らないといった。これもどこかで聞いたことがある。しかも、女の子にだ。「私、知ってます」と女性バーテンダーは説明してくれた。もう一点質問してきた。それに対するこちらの間違えた言葉が彼女のツボにはまった。笑いが止まらなくなった。さほど、面白い言葉でなかったが。次回紹介。かもめと言えば「かもめのジョナサン」か再出版された。
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それは「害虫?」と聞いてしまった。慌てて「害獣、か?」と言い直したが間に合わなかった。「チュウ?」女性バーテンダーは疑問符から次第に笑い顏になった。目が開き、クククッ、クククッと笑いがとまらなくなった。仕方なくこちらも笑った。苦笑いだ。ことはまた彼女のこだわり好奇心からだった。まず、ハリネズミが好きだ、と言った。へえーと思った。フクロウも好きだと言った。つぎだった。子どもの頃弟が小動物を捕まえてきた。飼ってみたかったと言った。「トガリネズミって、知ってます?」知らない、と言った。そこで冒頭の言葉になり、彼女は笑いのツボにはまった。トガリネズミについては、下記のアドレスに詳しくある。

http://www.fri.hro.or.jp/kanko/kiho/pdf/kiho43-3.pdf

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ジンジャーエールはお好きですか。女性バーテンダーは尋ねてきた。好きな方だ。「モスコミュールは飲んだことあります?」なかった。ビールマグを目の前に出してきた。氷を入れライムを入れ、ジンジャーエールの話しになった。客が数人入ってきた。応対の声をだしたあとの彼女の手捌きは早かった。トンとビールマグを置く。えっ、もうできたのか。こちらの反応にニコッととニヤリの間の笑いを浮かべ、入ってきた客の方にいった。大雪で交通機関と道路が麻痺状態になった数年前の島根鳥取地方の正月に、一人旅の自分は遭難手前の歩きと乗り継ぎで、なんとか米子空港に辿り着いた。羽田へぎりぎり飛べる。ホッとして喫茶コーナーで食事をした。子連れの若夫婦が入ってきた。松江市からのバスは止まったままだと話している。すぐバスを諦めて良かった。奥さんがジンジャーエールを頼んだ。出てきたものに、目がいった。布茶漉しに下ろした生姜があり、そこにお湯が注がれた。コップの中には氷が入っていた。所変われば、なのか。これが正式、なのか。
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面白い恋人だった。チェック時に、女性バーテンダーがくれた。大阪土産だ。これもこだわったのか。札幌の白い恋人が訴えたあと、どうなったのか。個人的には相乗効果があると思うのだが。大阪人のユーモアを北海道人はたいがい苦手とする。フランスの冬季オリンピックの記録映画「白い恋人たち」がヒットした。その名をもらったのがこの、白い恋人、のはず。TVCMが効いた。お土産のときバッグに入れやすく、分配するのに数があっていい。なにより喜ばれるのがうれしい。国内でもそうだが、メキシコでも在住邦人、またメキシコ人に大歓迎だ。縁あって数回メキシコに行った。メキシコ人は甘い物が大好物だ。そして大の親日家だ。空港で監査役人に手招きされた。荷物検査の前だ。悪いことしてないが、嫌だなと思った。日本人かと質問してきた。そうだ、と答えた。相手は急に満面笑みになり、握手を求めてきた。カンクンという避暑地での出来事だった。サッカー監督がメキシコ人になった。メキシコでは喜んでいるかもしれない。これを受け入れない手はない。
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