味醂と料理酒をコンビニに買いに行った。店員の言葉に、?となった。新人の娘さんで、彼女も戸惑った顔していた。苦笑いも薄くあった。
「?」
と目でたずねた。
「年齢確認、お願いします」
ときた。また、
「?」
アルコール買ってない、と思ったとき新人さんの苦笑いを理解した。笑えた。料理酒だ。これも年齢確認必要なのか。互いに顔を見合わせて小さく笑った。領収書の書き方も教えた。がんばって、と言ったら、はい、と素直な返事がきた。
厚切り豚肩ロースは筋切りされていた。生姜を下ろし、醤油、買ってきた味醂と料理酒を合わせた。見たWebの割合でやってみた。味見してなんだか違う、か。と思った。
Webや雑誌のレシピで上手くいったためしはない。また、料理の先生や料理の得意なタレントの簡単レシピも上手くいったためしはない。あれは編集者などがまとめているからだと思う。また文字にすると空気感が違ってしまう。料理は勘、適当でやれなければムリだ。
作ったタレを思い切って全部捨てて自分の勘でやってみた。この方が調整できる。ジップロックに作った調理タレと肉をいれて振り揉み、冷蔵庫に入れた。最低10分は味を浸透させる。30分は寝かせた。
ブロッコリーうっかり茹で過ぎでやや柔らか。ベビーリーフを皿に盛り、人参。キャベツ嫌いの不思議子を事情聴取で問い詰めたら、ロールキャベツなら食べれると白状した。そこでキャベツ葉を巻き爪楊枝で止め軽く茹でた。あまり見栄えはよくなかったがまあよかった。これ改善工夫してみよう。
さて、肉だ。つけ汁から取り出しフライパンで、まず1枚焼いてみる。ジューっといい匂いが広がる。生の色が変わって、ややしたところで少し水を入れてフタをする。ここがポイントだ。肉が柔らかくなる。
フライパンでただ焼くと焦げやすい。油断すると硬くなる。中火で2、3分。あとは勘だ。箸がとおったら、キッチンペーパーを敷いたまな板にのせ切る。皿に盛ったあと、カットしておいた玉ねぎをすばやくフライパンに投じて残った煮汁で炒める。その数分で肉の粗熱が取れ食べごろになる。すり生姜、黒胡椒、タレ汁などで調整する。これで完成だ。一片食べてみる。柔らかくて旨い。大好評だった。
食後みんな柔らかい肉でおいしかったと言ってくれた。