April 2015
気になった「朱印帳」
ブームにのってみた。せっかくの旅だ。訪問した神社仏閣の足跡を残すのに「朱印帳」は格好だ。旅に出るまえから知っていた。神社の経営が苦しいところこの「朱印帳」の人気は助かるなどとTVで放映されていた。自分も経営は安泰かと思っていた。まあ、世間と同じで安泰のところとそうでないところがあるらしい。山中で参拝人がほとんど来なくても国?から幾ばくかのものをいただき呑気な神社もあるとか。これも噂だ信ぴょう性はわからない。写メの書にもあるように、スタンプではないとある。書してくれたお坊さんの一人は、お参りもしないで、とぶつぶつ怒っていた。並んでいる女性たちは収集意識でもらっている人が多いのだろう。自分もどちらというとその範疇だ。いや参拝はする。すらすらと書いてくれた書と朱印を眺めていると心が引きしまる。奇しくも、右手の伊勢神宮からはじまり、左は金剛峰寺だ。朱印帳は千円、朱印は各三百円だった。
気になった「郵便配達物」2
思い出した。残念ながら、不愉快なことだ。玄関前でなにかしていた。そこにバイクの郵便配達員が乗り付けてきた。降りてこちらの前にきたので「ご苦労さま」と手を差し出した。と、だ。郵便配達員は手にした郵便物をパッと遠ざけた。目は明らかにこちらを疑っている。この家の住人かどうか疑っているのだ。内心ムッとしたがにこやかな顔でここの人間だよと言うと渋々寄越した。規則でうるさくなっているらしい。だからといって玄関前で服装や仕草は見るからにここの人間だ。こちらは何度も配達員の顔を見ている。相手は覚えてないのか。こういった企業が世の中をつまらなくしている。
気になった「郵便配達物」
印鑑サインのいる配達物はひとり者には厄介だ。これは体験しないとわからない。仕事で留守にしている。よく仕事場に転送してもらう。それができないものは日時を指定して待っている。これだけでも拘束される。大概たいして歓迎してないものがくる。カードの更新とかだ。待っていても狙い定めたように、トイレに入っているときとかすぐ出れないときにくる。慌てて出ると赤い郵便車の後ろ姿が小さくなっていく。また、同じ手順になる。ため息。忙しいのは分かるがもうちょっと待てないものか。冊子の郵便物関係はまたすごい。引退老人が下請けしているようで、受付口から思いっきり中に飛ばし入れてくれる。中に子供がいて頭にあたったら見事に卒倒だ。差し込むだけで十分だ。老人は自分の思考が正しいと思っている。まさに頑迷行為だ。外国のその事情は別な意味でもっと凄い。その日のものは外国から戻されたものだ。中身か悪かったわけでない。写メを送り先にLINEで送りスペイン語の説明を相手に読んでもらったら<何度も連絡を入れたが応答がなかった>。相手は連絡は全くなかったという。まあ、海外の郵便物事情はこんなものだと笑っていた。メキシコだった。二カ月も経って戻ってきた。やがて日本もそうなる。民営化は戻せないものか。昔の自信満々に配達してくれた郵便配達員の姿が懐かしい。
気になった「薔薇の棘」2
Webで外科を探した。見つけたところに行ってみようと思った。打ち合わせなどで午前中の受付締切りが迫っていた。痛みが増す。毒が腕の方まで回っくる感覚だ。午後の受付があるが変わることがあるとHPにあった。車を止めて電話してみた。すると、だ。説明すると当院で診れない内容だという。外科じゃないのか。それは形成外科ですね。と言われた。再度調べると、整形外科ばかりが出てくる。整形と形成は違うのか。単純な外科がない。明日から土日だ。これ以上痛んだらまずい。形成外科が出てきた。電話した。ここもなんだかニュアンスが変だったが、いいですよ、診てあげますよ。木で鼻をくくるちょい手前の返答だった。予約しないと診れないという。このまま予約にできないのかというと、できますよ。面倒臭い対応だ。午後から行った。院内の美容関係風なインテリアに心配になった。それにしても今や単純な外科の病院はないのかと思った。診察もなんか変だった。
気になった「餃子」
タイヤ交換のあと、以前見たビリヤード店を探しに車を走らせた。だが、見つけられなかった。ともに目をつけていた餃子の店に入った。夫婦客に、カウンターにはガタイのいい中年男性。離れて座る。五目麺に餃子を頼む。本州と違って餃子を気楽に頼む慣習はこの地にはあまりない、というより店も少ない。出てきた餃子は大きめ。旨そう。だが専門店なのに醤油がダメだった。醤油にこだわる店は少ない。麺もしょっぱかった。これは自分が薄味なので店のせいではない。横の中年男性、セットの飯を食べ終わったあと、餃子三人前を頼んだ。お土産かと思ったら、丼飯も頼んでいた。ペロリと平らげた。入ってきた会社員の男性たちも大盛り飯を注文した。みんなよく食べる。餃子がよかったのに醤油が残念だったので、今度お持ち帰りにしてみよう。
気になった「青目尚樹」5
玄関のチャイムが鳴り画面を覗くと中年男性がいる。ダブルのスーツ姿だ。物売り、セールスマンではない。応えると「Sです」と言ってきた。何年ぶりだろう。昔の同僚だ。出ると人懐っこい笑顔があった。以前のままだ。思わず握手になる。やあやあ、の挨拶が終わると「どお、変わりない?」ときた。彼の笑顔にはついなんでも話してしまう力がある。「それが変わりあったんだ」と言ってしまう。小説が出版されたことを告げると凄く驚いた。こちらが作家を目指していたことは知らなかったのだ。親しい人間にしか言ってなかったから当然だ。家にあった一冊を買ってくれた。同僚達の現況の話題になった。亡くなった人もいた。Oさんで、ハンサムでおしゃれで優しかった。彼も作家志望だったと言った。知らなかった。本当にいい人から亡くなっていく。Sさんは「感想書くよ」と言って去っていった。彼が訪問した用件があったが、すっかりかすんでしまった。悪かったがうれしい一時だった。
気になった「薔薇の棘」
薔薇という漢字は難しい。この形は薔薇の花を連想して作られたのだろう。何度かおぼえて、何度も忘れる。手書きが減っているせいもあるが、使うことがないから忘れる。英語と同じだ。春の庭に越冬した薔薇があった。見た目は枯れているがまた花を咲かす。手を入れないのに結構丈夫だ。今年も黄色い花を咲かすのか、と触れてみた。チクッときた。他の木は冬囲いしたのに薔薇はしなかった。その恨みを買ったのか一瞬だったが小さく痛かった。三日後の夜、右手人差し指の痛みで目が覚めた。腫れていた。適当に塗り薬を塗った。今日になったら痛みが増している。連休もあるから。病院に行った方がいいと周囲がいうので腹を決めた。だが、電話したらなんと断られてしまった。
気になった「苗穂」
気になった「青目尚樹」4
突然、友はやってきた。それも二人。一人は、スタッフだった女性で結婚し東京で活躍している。美人で明るい子で実家に遊びにいく途中だった。こちらを驚かそうとお土産やらいろいろ持って突然訪ねてきてくれた。お返しに親御さんにと「グランシャリオの涙」を差し出したら飛び上がって喜んでくれた。彼女は東京で購入しすでに読んでくれていた。面白かったとこちらが出版したことを心から喜んでくれていた。母親は本好きで読みたがっていたという。そして、もう一人の訪問者は男性で十年ぶりくらいだった。