思い出した。残念ながら、不愉快なことだ。玄関前でなにかしていた。そこにバイクの郵便配達員が乗り付けてきた。降りてこちらの前にきたので「ご苦労さま」と手を差し出した。と、だ。郵便配達員は手にした郵便物をパッと遠ざけた。目は明らかにこちらを疑っている。この家の住人かどうか疑っているのだ。内心ムッとしたがにこやかな顔でここの人間だよと言うと渋々寄越した。規則でうるさくなっているらしい。だからといって玄関前で服装や仕草は見るからにここの人間だ。こちらは何度も配達員の顔を見ている。相手は覚えてないのか。こういった企業が世の中をつまらなくしている。