大学病院前停留所

通勤のバス停留所のひとつで、外来診療日なのか混む日が週に何回かある。それらの日には、一人で降りるのもままならぬ老人がよく乗っている。付き添っている家族の手に、たいがい大きな紙袋がある。入院するのだろう。今日が外気に触れる最後になるのか、と勝手に気をもむ。車窓から、無事に退院することをつい願ってしまう。